他の写真と違って、集合写真は失敗が許されない大事なシーンです。
その大事なシーンの撮影をあなたに任せるというのは、かなり嬉しいことですよね。
失敗したくないけど、何を気にすれば良いのかわからない
という昔の僕のような方のために、一眼レフで集合写真を撮る時のコツやテクニックをまとめました。
最後まで読み終わる頃には、きっと集合写真の撮影方法や設定はマスターできていると思いますので、順に読み進めていってくださいね。
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集合写真の撮影で抑えておきたい2つのコツ
集合写真はポートレート写真やテーブルフォトなどとは違って、モデルとなる被写体の人数が多いです。
ここに書いた内容は、1つでもできていないと失敗作になってしまいます。
全てをクリアできるように、順を追って解説していきますね。
はじめに、最低条件の2つをご紹介。
- 全員が写っている
- 手ぶれなく全員にピントが合っている
まずは、写る人全員が写真の枠内に入っていないと始まらないですよね。
そして、全員にピントが合っていて、ぶれている人がいないことも大切なポイントです。
カメラの具体的な設定内容についてはあとで詳しく解説しますが、撮影前に必要なことだけざっくりお話しておきたいと思います。
全員が画面全体に入るような並び方で構図を考える
当たり前ですが、全員がフレーム内に入るような構図にします。
端っこが切れてしまっているとかは論外です。
撮った後に『あれ、私写ってないー』とか言われるのは避けたいですよね。
フレームの中心をしっかりと確認し、画面全体の中心がとれているかどうかを確認します。
右寄りとか左寄りになってしまうと、バランスと見た目も悪いです。
- 横一列なら10人くらいまで
- 100人以上の場合は、 1列20人〜30人で4列くらい
5列以上で並んでしまうと、背景が全く入りません。
せっかくの集合写真なのに、どこで撮ったものなのかがわからなくなってしまいますよね。
また、他人に撮ってもらうときには気をつけたいことがあります。
それは、水平がとれているかという点。
水平がうまくとれていないと、写真の完成度がイマイチです。
左右の空間が同じくらいに空いているようにフレーミングしましょう。
掛け声をかけてポーズをとってもらう
実はこれが一番重要ではないかと思いますが、写す人とコミュニケーションをとることは大切です。
もちろん、仲のいい・気心の知れた友人などと撮る場合は問題ありません。
ただ、あまり知らない人の場合は、固い表情になって、いい顔で撮れないこともあります。
できるだけ写す人と話すことで、緊張感を解いてあげましょう。
また、撮影時に動かれるとぶれの原因にもなるので、事前に声かけをしておくと失敗写真となる確率も減らせます。
- 行きますよー、ハイポーズ
- ハイチーズ
- ここを見て笑ってくださいねー、撮りまーす
僕がよくやる掛け声です。
3の掛け声で、何か雑談しながらシャッターを切ることもあります。
全ての条件をクリアするために必要な機材等を紹介しておきます。
別に全てなくても大丈夫ですが、あれば良いくらいのレベルです。
- 標準レンズ
- 三脚
- レリーズリモコン
標準レンズは、28mm〜50mmくらいのものを用意しておきます。後述しますが、広角レンズは集合写真には向きません。
三脚は安いものでもオッケーです。
被写体ぶれはもちろんですが、撮影する手が震えて手ぶれ写真になってしまったら、意味ないですよね。
手ぶれを防ぐためにカメラを固定しておくだけと考えておきましょう。
レリーズリモコンはなくても良いですが、自分も集合写真に一緒に写る場合は必須アイテムです。
Bluetoothや赤外線等の電波で離れた場所からシャッターを押すことができるアイテム。
みんなに声かけをしながら、絶妙なタイミングでシャッターを切ることができるからです。
セルフタイマーでも代用できますが、今押したい!という時にタイミングが合わずに貴重なシャッターチャンスを逃してしまう恐れがあります。
集合写真は単焦点レンズよりズームレンズがおすすめ
集合写真はできれば単焦点レンズではなく、ズームレンズを使うとより撮影が楽になります。
単焦点レンズでも撮影はできるんですが、少し不便です。
集合写真を撮る場所の広さやみんなが並んだ時の広さなどが合わないと、構図決めにかなり時間がかかってしまいます。
集合写真は多くの人を待たせることになるので、だらだらとしていられません!
構図やフレーミングを素早く決めるためにも、ズームレンズの方が設定の時間も長めにとれるのでおすすめです。
ただ、明るいズームレンズは買うとなると、結構いい値段がします。
最近僕も使い始めたんですが、月額制のレンズレンタルサービスが便利です。
画像引用:カメラレント公式サイト
カメラレントは、レンタル期間なしでレンズが借りられる新しいサービス。
月3500円〜の定額料金で、どんな商品でも1ヶ月以上のレンタルが可能です。
カメラレントは、会員登録後に審査があります。
審査に少し時間がかかるため、先に会員登録と審査を済ませておくと発送手続きがスムーズです。
レンズを返せば次のレンズを送ってくれて、レンタル期間に制限はありません。
取り扱いレンズはメーカー問わず120本以上なので、いろいろ試せます。
広角レンズは画角によっては歪みが出る
ズームレンズでも、高倍率ズームレンズのように18-300mmとかで広角側の18mmで撮ると、画面の端に歪みが出ることがあります。
これは広角レンズ特有の特徴で、ダイナミック感を出すために広角レンズは画面の端をまっすぐに写すことは難しいんです。
画面中央部が遠くに写って、画面手前になればなるほど広く写っていますね。
これが広角レンズ特有のパースを強調した写り方なんです。
これを集合写真に使うと、画面端がまっすぐ写らなくなって場合によっては画面端の人がふにゃっと歪んでしまいます。
集合写真に向いているのは焦点距離24mm以内の広角レンズ
集合写真に向いているレンズをCanonとソニーで選んでみました。
集合写真は広い範囲を写す必要があるため、標準レンズでは画面に人が入りきらないことがあるので広角レンズがおすすめです。
プロが使うスペックになると、高くて手が出ないので、できるだけ安いレンズをセレクトしています。
【Canon】17-50mm F2.8 EX DC OS HSM [キヤノン用]
17mmから50mmと広角から標準域をカバーするズームレンズ。
集合写真のときは、24mmから35mmくらいを使いましょう。
F2.8通しで3万円を切るコスパの良さが最強のレンズです。
多少暗い会場でもシャッタースピードを上げやすいですし、1本あるといろいろ使えます。
【ソニー】Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS SEL2470Z
24mm〜70mmまでと使いやすい画角をF4通しで撮れる万能標準ズームレンズ。
ツァイスレンズなので、解像度もまずまずですし、手ぶれ補正機能もついています。
集合写真はもちろん、パーティーやイベントのスナップ撮影でもそのまま使えるので、荷物を減らしたい時にはおすすめです。
1本持っておけば、風景やスナップまでいろいろ撮れるのですぐにもとは取れます。
一眼レフよりも確実・ミスなしで撮るならスマホが最強!
一眼レフで撮るにこしたことはないですが、最近のスマホでも十分です。
スマホの焦点距離は平均20mm前後で、F値も2.0くらいになっています。
ただ、背景をぼかそうと思うと、センサーサイズで一眼レフにはかないません。
しかし、集合写真は絞って撮るのが普通なので、むしろスマホの方が失敗せずきれいに撮れます。
スマホと一眼レフの写りの差を撮り比べてみたので、参考にしてみてください。
スマホで集合写真を撮る時は、手持ちの三脚にアタッチメントをつけるだけでOKです。
三脚に取り付けるだけで、簡単に集合写真用のカメラシステムが出来上がります。
集合写真のF値とシャッタースピードの設定目安
では、具体的な集合写真でおすすめのカメラの設定についてです。
今まで挙げてきたポイントを全てひっくるめたカメラの設定値はこんな感じがベスト。
- 撮影モード:絞り優先モード(A、AV)
- F値(絞り):F8
- ISO感度:屋外は100〜800、室内は1000〜2500
- 露出:明るさによって調整。背景の色が飛ばない程度に
- AF:ワンショットで中央に合わせる
- ホワイトバランス:オートか日陰
※三脚を使うときは手ぶれ補正はOFFに
絞りを絞って全体にピントを合わせる
絞り(F値)の数値を上げる(=絞ると言います)ことによって、全体にピントを合わせられ、意図的に背景をぼかさないようにすることができます。
参考までに実際に集合写真でF値を変えるとどんな写り方になるのかサンプル写真で見てみましょう。
集合写真のサンプルをF値を変えて、撮り比べてみました。
F1.8、F2.8、F5.6、F8、F16、F20で撮影しています。
※クリックで拡大します。
ここで見ていただきたいのは、開放F1.8やF2.8あたりで撮影した写真です。
後列端っこがぼけてしまっていますよね。
こうなってしまうと、せっかくの集合写真も台無しです(笑)
F8くらいから全体にピントが合ってきていることがわかります。
この状態をカメラ用語で『パンフォーカス』と言います。
逆にF16とF20の写真では、写り方に違いがありません。
F値をむやみに上げすぎると、解像度が落ちてしまうという現象が起きてしまいます。
この状態を『回折現象(かいきげんしょう)』と呼び、レンズの性能が低下するので絞りすぎには注意してください。
シャッタースピードは手ぶれしない範囲に
絞り優先モードで撮影すると、シャッタースピードは自動で決められるのでそれほど問題はありません。
マニュアルモードなどで手動撮影する場合は、シャッタースピードを自分で決める必要があります。
つまり、50mmのレンズを使っているのであれば、シャッタースピード1/50秒あれば手ぶれはしにくいということになります。
シャッタースピードが1/50を超えない場合は、絞りを開いたり、ISO感度を上げることでシャッタースピードを速くすることができます。
より詳しく設定を理解するなら、独学で勉強するのもありです。
通信講座を買ったときのレビューをまとめました。
屋外と室内の設定の違い
集合写真だけに限った話ではありませんが、露出(明るさ)には注意しておく必要があります。
特に集合写真では、中央にいる人と端っこにいる人では光りの当たり方が違いますよね。
中央は光が当たりやすいですが、端っこの人には光が届いていないことが稀にあるので、そういった場合は露出補正を使って、明るさを調整します。
屋外での設定
日中に屋外で撮影する時は光の当たり方が変わってくるので、この露出で調整する必要があります。
天気がいい時の屋外は露出をマイナス補正に、曇り空の屋外は露出をプラス補正にしましょう。
晴れた日に露出を上げすぎると、背景が白くなってしまい(白飛び)、補正が効かなくなってしまいます。
撮影時に、モニターを見ながら調整するようにしてください。
室内での設定(ストロボがあるときれいに写せる)
逆に室内ではプラス補正で明るめに撮影すると、暗い写りを防ぐことができます。
どうしても明るさが足りなくてシャッタースピードが稼げない場合は、外部ストロボ(フラッシュ)を使いましょう。
ただ、カメラに内蔵されているストロボは光量が少なく、真ん中だけに光が当たって不自然な写りになるため、あまりおすすめはできません。
初心者にも手が出やすいおすすめストロボを紹介しておきます。
【Canon用】スピードライト 430EX III-RT
Canonの入門用の外部ストロボが430EX Ⅲ-RT。
ガイドナンバー43で光量はかなりあるので、初心者だけでなくプロでも使えるほどのスペックなのに3万円を切る値段で買うことができます。
ワイヤレス発光やバウンス撮影、ハイスピードシンクロなど機能は十分で、1つあればどんなシーンにでも対応が可能です。
【ソニー用】HVL-F32M
私も使っているストロボですが、ガイドナンバー32で少し光量が足りないかなと思いがちですが、使ってみると全然足ります。
かなり明るく写せるので、体育館やホールのような場所でない限りは問題ありません。
重さも235gとそれほど重くないので、α7 Ⅲにつけて使っていますが、重く不便なことは今のところないです。
値段も25000円程度と安く、一度買えば逆光で顔が暗くなってしまうときなんかにも使えるので買っておいて損はないストロボです。
外部ストロボは直接光を当てるよりも、天井などに向けて撮影する『バウンス撮影』の方が柔らかい光が当たっていい感じの明るさにできます。
また、夜の室内ではISO感度も高めに設定しておくと安心です。
集合写真の撮影枚数は5枚を目安に
三脚をばっちり用意して、カメラを固定して撮影したとしても、モデルとなる被写体が動いてしまってはせっかくの集合写真もぶれてしまいます。
被写体ぶれは撮影するあなたの責任ではないのですが、出来上がった写真を見たら、へこみますよね。
何枚か撮る間に声かけしたりして、できるだけ違った感じで撮影すると、笑顔の写真や和んだ感じの写真が撮れます。
2枚くらいだとモデルとなる人たちも緊張した状態が抜けきれません。
3枚目くらいから徐々に落ち着いてきていいポーズをとってくれるようになります。
フレームに入れる人数が多いので、誰かが動いてしまっていることはよくあることなんです。
できるだけ枚数を撮っておけば、そのようなことも防げますよね。
一眼レフの集合写真【まとめ】
集合写真はモデルひとりだけを撮るわけではありません。
たくさんの人を撮ることをまずは意識しておきましょう。
しかも、失敗したら撮り直しするのがなかなか難しいシチュエーションです。
いざ撮り終わって、パソコンで写真を確認してうまく撮れていなかったら、撮り直しもききません。
集合写真を撮り終わったら、まずはぶれていないか・全員が入っているか・構図がまっすぐであるかの3つだけは確認しておくと失敗してもその場で撮り直せます。
時間をかけて準備して、大切な瞬間をうまく切り取りましょう。