ソニーのフルサイズミラーレスで人気急上昇中のα7 Ⅲ。
コンパクトなボディにフルサイズのミラーレスというだけではなく、その性能は目を見張るものがありました。
α7 Ⅱを2年近く使ってきて、ようやくα7 Ⅲに買い替えました。
結論、α7 Ⅲは最強のミラーレス一眼です。
この記事では、前モデルのα7 Ⅱとの比較を中心に、購入したα7 Ⅲのレビューをまとめました。
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α7 Ⅲの基本スペックや特徴
α7 Ⅲは、ソニーEマウント規格のフルサイズミラーレス一眼です。
スペックを一覧でまとめてみました。
画素数 | 有効2420万画素 |
撮影感度 | 標準:ISO100〜51200
拡張:50〜204800 |
連写撮影 | Hi+ :最高10コマ/秒 |
撮影枚数 | ファインダー使用時:610枚
液晶モニタ使用時:710枚 |
記録メディア | SD・メモリースティック |
手ぶれ補正 | 5軸手ぶれ補正 |
タッチパネル | ◯ |
AF測距点 | 693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式) |
動画記録画素数 | 4K(3840×2160) |
無線 | Wi-fi(NFC)・Bluetooth4.1 |
重量 | 565g |
高感度耐性が上がっていることも嬉しいですが、すごいのはAF性能の進化です。
位相差検出ではα9と同等で、コントラスト検出ではα7R Ⅲと同等です。
上位モデルの片方ずついいとこだけをとって、合わせたのがこのα7 ⅢのAF性能となっています。
発売日から人気は高くEマウントを有名にさせた火付け役
α7 Ⅲの発売は、2018年3月23日です。
発売されてから瞬く間に話題になって、α7 Ⅲを目当てにマウントを乗り換える人も増えたほど。
それまでマイナーだったソニーのEマウントを一気にメジャーにさせたといっても過言ではありません。
それだけミラーレス界に旋風を巻き起こしたモデルが、このα7 Ⅲではないでしょうか。
ソニーではベーシックモデルの位置付けだが値段が高い
ただ、α7 Ⅲの値段は23万円弱とかなり高めの設定となっています。
ソニーのフルサイズミラーレスの中では、『ベーシックモデル』に分類されています。
ベーシックとうたう割には、結構いい値段するんですよね。
カメラもいい値段しますが、Eマウントはレンズ群も純正をはじめ高めの値段設定です。
光学性能を考えれば仕方ないですが、後々の出費も考えてから買ったほうが得策です。
前モデルα7 Ⅱとの違いを比較してみる
前モデルのα7 Ⅱとどれくらいスペックが違うのかをまとめてみました。
全て書くとキリがないので、特に変わっているところだけに絞ってご紹介します。
スペック | α7 Ⅲ | α7 Ⅱ |
撮影感度 | 標準:ISO100〜51200
拡張:50〜204800 |
標準:ISO100〜25600
拡張:ISO50・64・80・51200 |
ファインダー倍率 | 0.78倍 | 0.71倍 |
液晶モニター解像度 | 92.16万ドット | 128.88万ドット |
撮影枚数 | ファインダー使用時:610枚
液晶モニタ使用時:710枚 |
ファインダー使用時:270枚
液晶モニター使用時:350枚 |
手ぶれ補正 | 5.0段分 | 4.5段分 |
連写性能 | 最高10コマ/秒 | 最高5コマ/秒 |
AF測距点 | 693点(位相差検出方式)
425点(コントラスト検出方式) |
117点(位相差検出方式)
25点(コントラスト検出方式) |
タッチパネル | ◯ | × |
サイレント撮影 | ◯ | × |
メモリーカード | 2スロット
UHS-Ⅱ対応 |
1スロット
UHS-Ⅰ対応 |
動画 | 4K | フルHD |
スペックダウンしたのは、背面液晶の解像度くらいです。
その他の項目を比較してみると、劇的な進化を遂げていることがわかります。
いくつかの項目を写真で比較してみました。
端子やインターフェース部を比較
α7 Ⅱから比べると、端子の種類は増えており拡張性は優れています。
USB-C端子などPCでの高速転送も問題なしです。
しかし、その反面、端子のカバーの強度が弱くなっていると感じました。
すぐに取れることはない思いますが、ちょっと不安要素と言えます。
メモリーカードのスロットがデュアルに
メモリーカードは100%α7 Ⅲの勝利です。
デュアルスロットになり、片方はUHS-Ⅱの高速規格に対応しています。
カメラを使いながら、保存先のSDカードを変えることもできて便利です。
カードスロットを閉める時に、カチッと音がしないのがちょっと気になりますが、問題はありません。
連写を押すモデルなだけあって、メモリーカードのこともよく考えられています。
ファインダーまわりを比較
アイピースカップ(ファインダーの周りに付いてるカバー)は形が変わっていました。
見た目は、小さくなっていて角がたくさん付いた感じになっています。
後で解説しますが、意外にホコリがつきやすいのが辛いところです。
α7 Ⅱはだいぶん値段が下がってきているので、安くなってきてます。
α7 Ⅲを使ってみていいなと思った点
α7 Ⅲを実際手にしてみて、これは良いと感じた点をご紹介します。
たくさんあるんですが、中でもヤバいと思ったところをピックアップしました。
- ボタン関係の改良
- バッテリーの持ち
- メモリーカードスロット
- 連写性能
- オートフォーカス性能
ボタン関係が使いやすく改良されている
α7 Ⅲでは、α7 Ⅱでは付いてなかったボタンが2つ追加されています。
AF-ONボタンとジョグダイヤルです。
α7 Ⅱの時は、AEL/AF・MFボタンにカスタム設定しないと親指AFはできませんでした。
しかし、α7 ⅢではAF-ONとAELのボタンが振り分けられたことにより、その心配もありません。
さらに、嬉しい改良がジョグダイヤルです。
α7 Ⅱだとピント合わせの時に測距点を変える場合、十字キーだったので操作がしにくいんです。
おまけにα7 Ⅲはタッチフォーカスに対応しているので、ダイヤルでなくてもタッチパネルで調整もできます。
バッテリーがバージョンアップして電池持ちがよくなった
2つ目は、バッテリーの見直しです。
α7 Ⅱを使っていて1番ストレスだったのはバッテリーの減りが速いことでした。
普通に撮影しているだけでも、見る見るバッテリーが減っていきます。
イベントごとなどの時は、予備バッテリーやモバイルバッテリーは必須アイテムでした。
しかし、α7 Ⅲになってバッテリーが大幅に改善されました。
稼働時間は、α7 Ⅱの約2倍になっています。
ただ、α7 Ⅱから買い換える場合は、昔のバッテリーは使えず買い換えることになります。
メモリーカードスロットが2スロになって高速転送にも対応
α7 Ⅱでは、UHS-Ⅰ対応のカードがⅠ枚しか入りませんでした。
しかし、α7 Ⅲでデュアルスロットへ進化しました。
- UHS-Ⅱ対応のカード
- 予備のカード
片方を動画メインで使うもよし、高速連写用でも使えます。
SDカードはものに左右されますが、カメラとしての性能である程度カバーできるかもしれませんね。
トランセンドのSDカードはコスパ最強で、性能もいいのでおすすめです。
RAW撮影でも連写が速くなりストレス軽減
手元に2台あったんで、α7 Ⅲとα7 Ⅱに同じSDカードを差し替えて連写速度を試してみました。
UHS-Ⅱ・v90対応のSDカードだったのでどっちも速かったです。
しかし、同じところで同じものを撮ってもα7 Ⅲの方がより精度が高く、速いと感じました。
秒間の撮影速度に2倍の差があるので、動きものの撮影だとその効果は言うまでもありません。
連写撮影中の操作性が上がった
α7 Ⅲは、高速連写中でもカメラの操作ができるようになりました。
撮影後の書き込み中にFnメニューから設定を変えられたり、メニュー画面を見ることができます。
連写の書き込み残り枚数も教えてくれる劇的なパワーアップを遂げています。
サイレントシャッターでの高速連写は注意
サイレントシャッターでの高速連写は、被写体が歪んで写ってしまうので注意が必要です。
α9はアンチディストーションシャッターとなっており、サイレントシャッターで高速連写しても問題ありませんが、α7 Ⅲは対応していないんです。
また、高速連写のモードも注意しておくところがあります。
α7 Ⅲには、高速連写のモードが2つ用意されています。
EVFで被写体を追うなら、Hi+ではなくHiを使わないといけません。
Hiモードだと、秒間8コマになるので使い分ける必要があります。
AFの性能がグレードアップ
α7 ⅢのAF測距点
α7 Ⅲの瞳AF
画像引用:ソニー公式サイト
α7 ⅢになってAF性能は大幅にパワーアップしました。
良くなったポイントは、下記の3つです。
- AF測距点のカバーがすごい
- ピントが合うのが速い
- 動体追従性能が進化
AF測距点がα7 Ⅱより飛躍的にアップ
α7 Ⅲは、AFの測距点が劇的に進化しました。
α7 Ⅱをはじめ、α9、α7R ⅢとAF関係のスペックの差を比較してみました。
測距点 | α7 Ⅱ | α7 Ⅲ | α7R Ⅲ | α9 |
位相差 | 117点 | 693点 | 399点 | 693点 |
コントラスト | 25点 | 425点 | 425点 | 25点 |
値段 | 約12万 | 約21万 | 約31万 | 約38万 |
他と比べて良くわかったんですが、α7 Ⅲはまさにいいとこどりです。
ほぼ画面全体で被写体を捉えられるので、AF性能については文句なしの評価です!
ピントの合掌速度が速くなった
実際に使ってみると、ピントの合掌速度が速いです。
そして、静かなのもいいところ。
α7 Ⅱだとピントを合わせる時に機械音が聞こえたりしましたが、α7 Ⅲではそれがありませんでした。
ファインダーをのぞいていて、AF駆動音とかあるとストレスになりますよね。
α7 Ⅲは気になるような駆動音もありませんでした。
動きものの撮影時の追従と瞳AFがパワーアップ
α7 Ⅲの魅力として、動体追従性能のパワーアップも見逃せません。
AF性能が底上げされたこともあり、ピントの精度は高くなりました。
それに加えて、動きものの撮影もしやすくなっています。
目玉は、AF-C使用時の瞳AFです。
α7 ⅡだとAF-Cでピント合わせをしていると、瞳AFは効きませんでした。
しかし、α7 ⅢならAF-Cモードでも瞳AFが効きます。
これにより、子供や動きのある被写体でも瞳に狙ってピントを合わせることができます。
子供撮りには最強のカメラと言っても過言ではないですね。
α7 Ⅲの残念な点・デメリット部分
ここまでα7 Ⅲのいいところを紹介してきましたが、イマイチと感じたところもあります。
実際使ってみてイマイチと思った点は、3つありました。
- アイピースカップが汚れやすい
- 端子部のカバーが弱い
- 背面液晶の解像度
アイピースカップに埃が吸い付く
α7 Ⅲで1番残念に思ったのは、アイピースカップです。
ファインダーの周りについているゴムのカバーですが、とにかくホコリがつきます。
α7 Ⅱから形状が変わっており、コスト削減なのか作りが少し安っぽくなった気がします。
この写真は、インナーケースに入れて持ち歩いた後に撮影しました。
わずかな移動時間の間だけでも、見事にホコリを吸着してましたw
常に目に付くところなので、これはちょっと気になるポイントです。
端子部のカバーが安っぽくなった
端子部分もα7 Ⅱから落ちたなと感じるところの1つです。
α7 Ⅲは拡張端子のカバーが2ヶ所ありますが、気を付けてないと取れそうですw
また、α7 Ⅲは、バッテリーチャージャーがついていません。
そのため、充電する時にこのカバーを開ける必要があります。
何回も充電してると、カバーが劣化してしまいそうと思い、僕は別売りのバッテリーチャージャーを買いました。
これならカバーの心配もいりませんし、急速充電にも対応してるので一石二鳥です。
α7 Ⅱより背面液晶の解像度が下がってしまった
α7 Ⅱから劣った点としてもう1つあるのが、背面液晶の解像度です。
背面液晶のスペックだけを他機種と比べてみると、
項目 | α7 Ⅱ | α7 Ⅲ | α7R Ⅲ | α9 |
解像度 | 122.88万ドット | 92.16万ドット | 144万ドット | 144万ドット |
倍率 | 0.71倍 | 0.78倍 | 0.78倍 | 0.78倍 |
他のソニー製カメラと比べても、α7 Ⅲが1番解像度低いんです。
ただ、実際にα7 Ⅱと見比べてもそこまで画質の違いに気づかなかったというのが僕の感想です。
α7 Ⅱで背面液晶の輝度をMAXで使っていた場合は、ちょっと暗いかなと思う程度です。
α7 Ⅲと一緒に揃えておきたい周辺機器
α7 Ⅲと一緒に買ったものの中で、これはあった方がいいというアクセサリーをご紹介します。
なくても使えますが、長く使うなら合わせて持っておきたいグッズです。
高速転送に対応したSDカード
α7 Ⅲの連写性能を最大限に引き出すためにも、高速規格のSDカードは用意しておきたいところ。
UHS-Ⅱ対応で64GBのSDカードの中で、1番コスパがいいのがトランセンドでした。
背面液晶用の保護フィルム
背面液晶につける用の保護フィルムは、必ず一緒に買っておきましょう。
サードパーティ製の安いもので十分ですが、フィッティングと質感から僕は純正を選びました。
純正の中でもこのフィルムは一際高いですが、ガラスフィルムで液晶も見やすいのでおすすめです。
バッテリーの充電器
先ほども紹介しましたが、α7 Ⅲにはバッテリーチャージャーは付属しません。
カメラを充電する時は、ケーブルを挿す必要があります。
- 防湿庫に入れたままで充電できない
- 端子カバーの脱着が不安
僕は、この不安が消えなかったので思い切って買いましたが、買って正解でした!
ソニーα7 Ⅲのレビュー・感想【まとめ】
α7 Ⅲは残念なところもありますが、それ以上に進化がすごいカメラでした。
型落ちでα7 Ⅱを買うなら安く買えますが、満足度で言うならα7 Ⅲ押しです!
正直、この値段でこれだけの性能が手に入るなら、お得じゃないかなと思うほどです。
AFが劇的なパワーアップを遂げているので、一眼レフに不慣れな方でも確実にいい写真が撮れるカメラです。
α7 Ⅲに限った話ではありませんが、意外に楽天市場が安いお店あるので、購入前はチェックしてみてください。