一眼レフはシャッタースピードを自在に変えられるところが魅力です。
最近はスマホでもきれいな写真が撮れるようになりましたが、一眼レフで撮れない写真があるのも事実。
中でも、シャッタースピードが肝です。
シャッタースピードを理解しておくだけで、スマホでは絶対に撮れない写真も撮れるようになります。
この記事では、シャッタースピードの原理からシーンごとのおすすめ設定と写り方をまとめました。
シャッタースピードをわかっておくと、マニュアル撮影もできるようになるので参考になさってくださいね。
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シャッタースピードの仕組みと基本
シャッタースピードは、カメラがシャッターを開いている時間です。
カメラでシャッターを押すと、カシャっという音が鳴りますよね。
あの時間を変えるのがシャッタースピードの基本です。
まず最初に、シャッタースピードの基本から理解しておきましょう。
シャッターを開いている時間を指す
普通にオートモードなどでシャッターボタンを押すと、カシャっと言いますよね。
あのタイミングは手ブレしない理想の速さで、カメラ側がシャッタースピードを調整しています。
スローシャッターにすれば、シャッターを押し終わる音が遅くなります。
シャッタースピードが遅いと光をたくさん取り込み、手ブレしやすくなるので三脚は必須です。
シャッタースピードの変わり方や読み方
1/8000 | 1/640 | 1/50 | 1/4 | 3.2″ |
1/6400 | 1/500 | 1/40 | 0.3″ | 4sec |
1/5000 | 1/400 | 1/30 | 0.4″ | 5sec |
1/4000 | 1/320 | 1/25 | 1/2 | 6sec |
1/3200 | 1/250 | 1/20 | 0.6″ | 8sec |
1/2500 | 1/200 | 1/15 | 0.8″ | 10sec |
1/2000 | 1/160 | 1/13 | 1sec | 13sec |
1/1600 | 1/125 | 1/10 | 1.3″ | 15sec |
1/1250 | 1/100 | 1/8 | 1.6″ | 20sec |
1/1000 | 1/80 | 1/6 | 2sec | 25sec |
1/800 | 1/60 | 1/5 | 2.5″ | 30sec |
- 青→高速シャッター
- 赤→速め
- 緑→一般的な速さ
- 黄→遅め
- 紫→スローシャッター
一般的な一眼レフのシャッタースピードの設定を一覧でまとめてみました。
オートモードなどで撮る場合は、緑色の区分で撮影することがほとんどです。
手ブレなど失敗しにくいシャッタースピードは1/125秒と言われています。
高速で動いているものを撮ったり、スローシャッターを使う場合は極端にシャッタースピードを変える必要があることがわかります。
晴れた日のスローシャッターや曇り空の高速シャッターは他の設定値を変えるか、フィルターを使う必要があります。
シャッター速度を変えるだけで全く違った写真が撮れる
シャッタースピードを変えれば、同じ被写体でも違った写り方で撮影できます。
逆に言えば、シャッタースピードや絞りを変えないと、スマホで撮ったような無難な写りにしかなりません。
シャッタースピードと絞り・ISO感度は切れない関係なので、マニュアルで撮影する時は知っておく必要があります。
シャッター速度優先モードなら、シャッタースピードを変えれば他の項目は自動設定してくれます。
まずは、シャッター速度優先モードで慣れておきましょう。
シャッタースピードの変化による写り方の違い
シャッタースピードを変えるとどれくらい写りが変わるのかを撮り比べてみました。
渓流に流れていた川でシャッタースピードを4パターンで撮影しています。
絞りF5.6で暗所なので、ぶれてしまいました。
普通より速いシャッタースピードの場合の写り方
1/400と1/125秒だと、だいたいスマホで撮った感じで写りました。
川の流れは止まっているところもありますが、粒で写そうと思うと1/1000秒くらい必要になります。
このくらいのシャッタースピードが手ブレはしにくく、使いやすい設定です。
遅いシャッタースピードの場合の写り方
手持ちだったので、あまり落とせませんでしたが、手ブレギリギリの1/10と1/3秒で撮影してみました。
さらに絹のように写すなら、三脚でシャッタースピードを落とせばOKです。
晴れた日など明るい状況ではシャッタースピードを落とすと白飛びするため、NDフィルターをつけましょう。
【被写体別】失敗しにくいシャッタースピードの目安
被写体ごとにおすすめのシャッタースピードの目安をご紹介します。
周囲の明るさなども関係するため、あくまで目安と考えてください。
いろんな状況で試し撮りした中で、しっくりきた設定をまとめました。
日常の写真を撮る時のシャッタースピードの目安
1/60〜1/125秒
普段のスナップなど失敗しにくいシャッタースピードの目安は、1/125秒です。
室内や薄暗いところでは明るいレンズでないと厳しいですが、晴天時ならベストなシャッタースピード。
子供を撮るときも少しの動きなら、被写体ブレも防ぎやすいです。
乗り物を撮影する時のシャッタースピードの目安
乗り物や動いているものを撮る時は、速めのシャッタースピードが必要です。
被写体が動いている状態なので、写し止める場合と動かしながら撮る2つのパターンで撮影可能。
ここでは、写し止める場合と流し撮りのように背景をぶらせて撮るシャッタースピードの目安をご紹介します。
ピタリと写し止める場合のシャッタースピード
1/4000〜1/8000秒
速いものを写し止める場合は、目安として1/4000秒くらいあると失敗しにくいです。
乗り物などは特に動きが速いため、シャッタースピードが足りないとブレてしまいます。
ただ、鳥などの生き物は1/500秒くらいで写し止めることは可能です。
この写真は晴天時だったので、1/8000秒まで上げて撮っています。
躍動感を出して流し撮りする場合のシャッタースピード
1/30〜1/60秒
動いているものだけを止めて、背景をぶらせて撮るのが流し撮りです。
サーキットの車や電車などでよく使われますが、目安は1/30〜1/60秒くらい。
この写真は天気が良かったこともあり、1/80秒で撮りました。
子供の運動会など人を撮影する時のシャッタースピードの目安
1/100〜1/250秒
運動会などで走っている子供を撮るなら、少し速めのシャッタースピードが必要です。
通常は1/250秒くらいあればOKです。
水しぶきなどをはっきり写し止めるシャッタースピードの目安
1/2000〜1/4000秒
水しぶきの粒を写し止めるなら、1/2000秒以上のシャッタースピードが理想です。
周囲の明るさにもよりますが、これくらいあれば安心。
1/2000秒からシャッタースピードを変えながら何枚か撮ると、いい設定が見つかります。
周囲が明るいなら白飛びしてしまう可能性があるため、1/8000秒くらいまで上げておくのが無難です。
滝や夜景を幻想的に撮るシャッタースピードの目安
1〜10秒
滝の流れを絹のように撮ったり、夜景を幻想的なムードで撮るには長めのシャッタースピードが必要です。
シャッターを開ける分だけ光を取り込めるので、場面に応じて設定してください。
夜景に使う無難なシャッタースピードの設定は、1〜10秒くらいです。
10秒くらいになると、シャッターを手で押すだけでブレることもあります。
リモコンレリーズがない場合は、セルフタイマーで撮影しましょう。
星空を撮る場合のシャッタースピードの目安
10〜30秒
星空を撮るには、長時間シャッターを開く必要があります。
三脚とリモコンレリーズがないとキツイので、あらかじめ準備しておいてください。
星空撮影は周囲が暗くて光がない環境もいるので、山奥に行く前にまずは近場から練習しましょう。
シャッタースピードを変える時の注意点
シャッター速度優先モードの場合は、絞りやISO感度がシャッタースピードに合わせて設定されます。
そのため、意図していない設定で撮ってしまいかねません。
夜景や花火など、ある程度長い時間シャッターを開く場面ではマニュアルモードでの撮影がベストです。
- ISO感度や絞りを個別に調整可能
- 露出を固定できる
特に、三脚を使う時はISO感度は100でOKです。
しかし、シャッター速度優先モードだとISO2000とかに自動設定されてしまうこともあります。
わざわざ画質を落としてしまうことになるので、使わない方が無難です。
ギリギリまで設定値を追い込むこともできますし、何より自由度が高いところが最大のメリット。
ISO感度や絞りを変えて写りがどう変わるかを見ながらできて、勉強にもなります。
一眼レフのシャッタースピード【まとめ】
一眼レフはシャッタースピードを合計55種類も設定可能です。
細かくわかりにくいので、慣れない頃は避けがちですが、ある程度理解してくると今まで撮れなかった写真が簡単に撮れるようになります。
オートモードメインの方はシャッター速度優先モード、シャッター速度優先モードを使ったことがある場合は、マニュアルモードへステップアップしてみてください。
絶対撮れないと思っていた写真が普通に撮れるようになります。
ISO感度など他のカメラの設定も理解できるようになるので、今からでも試してみてくださいね。