せっかく念願の一眼レフを買ったのに部屋の中だとうまく撮れないぞ。
初めてEOS70Dを買ってウキウキしながら写真を撮りまくっていたときに僕が感じていたことです。
外とか明るいところだったら、結構いい感じに撮れるのに室内になると思うような写真が撮れないことはよくあります。
部屋の中や体育館などちょっと薄暗い環境では、カメラの設定も少し知っておく必要があります。
この記事では、昔の僕の失敗経験をもとに室内撮影の注意点や撮り方、おすすめレンズなどご紹介。
最後まで読み終えた頃には、きっと室内撮影も人並みにこなせるようになります。
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室内撮影でカメラの設定以外に注意したいこと
まずはじめに知っておきたいことは、室内は外と違って暗いということです。
カメラは性質上、僕たちが目で見ているよりも少し暗めに明るさを認識してしまいます。
暗いとどうなるのか?
- 写真自体が暗くなる
- 手ぶれしやすくなる
当たり前ですが、撮影した写真が暗くなってしまいますよね。
また暗いところでシャッターを切る時は、シャッタースピードが遅くなってしまいます。
つまり、シャッターを押してから撮影するまでの時間が長くなってしまうので、手ぶれしやすいんです。
特にこのような場所は暗くなりがちなので、注意が必要です。
- 自宅の部屋の中
- 学校などの教室
- 日陰や夕方
- 体育館
天気がいい日の室内のように自然光がある程度あればそこまで問題にはなりませんが、曇りの日の室内や体育館など自然光が少ない時は、暗くて手ぶれしやすい最悪の状況になってしまいます。
こんな撮りにくい場面でも失敗を減らしたい場合の方法は次に紹介する2つです。
まず明るいレンズを使うと失敗しにくい
物理的に改善したい場合は、レンズを明るいものに変えることが一番の近道です。
キットレンズだとシャッタースピードが遅くなってしまい、いくら設定をしっかりしてもうまく撮れないことも…。
そもそも室内は暗いことが多いので、レンズ自体が明るい方がよりきれいに写すことができるようになります。
明るいレンズ=F値の低いレンズのことで、主に単焦点レンズと呼ばれるレンズですね。
ズームレンズはどうしても開放F値がF3.5くらいからとなってしまいますが、単焦点レンズになるとF1.4などかなり明るいレンズもラインナップされています。
この方法が一番劇的に写りが改善されるので、とにかく速く撮れるようになりたい場合は試してみてください。
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一脚や三脚を使う
カメラ側の設定などを細かくいじるより何よりも手ぶれを防ぐのに一番効果的なのが、カメラを固定してしまうことです。
カメラを固定してしまえば、手ぶれのリスクは大きく減らすことができます。
それでも、シャッタースピードが遅くなる場合は手ぶれしてしまうこともありますが、手持ちで撮るよりはだいぶんマシです。
一脚は持ち運びもしやすく、荷物になることもないのでとっさの時に便利。
私が普段使っているベルボンの一脚はなかなかおすすめです。
スマホで撮ってみる
スマホって微妙でしょって声もあると思いますが、実は最近のスマホは結構やばい画質で撮れます。
開放F値もF2以下のものがほとんどで、スマホのカメラレンズは明るいんです。
スマホのカメラは僕の経験上、室内撮りでも失敗しにくいです。
カメラの設定を触るのが苦手な方は、一番手取り早い方法かもしれません。
一眼レフとスマホの画質の違いについては、こちらの記事を見てもらえばわかると思います。
室内撮影でおかしやすいミス(僕の失敗写真を紹介)
僕が昔によく室内で写真を撮るときに失敗していた原因を昔の失敗写真を見ながら、解説していきます。
正直なところ、室内撮影でよくやってしまうミスは、手ぶれと写りが暗くなるの2つが中心です。
シャッタースピードが追いつかず手ぶれする
- 焦点距離:42mm
- 絞り:F8
- ISO感度:ISO6400
- 露出:+0.0
- シャッタースピード: 1/30秒
まずはシャッタースピードでミスった写真ですが、夜に部屋の中で撮ったものです。
この写真の一番の失敗要因は、絞りを絞りすぎたことでシャッタースピードが遅くなってしまいました。
あまり何もわからずに撮っていた頃の写真ですが、シャッタースピードがレンズの焦点距離よりも低い数値になっていて、これでは手ぶれしても仕方ありません。
あと、それほど背景をガッツリ写す必要もないので、絞りを開放気味(F3.5とか)にして撮っていれば、シャッタースピードも上がり、手ぶれは防げていたはずです。
見ているよりも暗く写ってしまう
- 焦点距離:55mm
- 絞り:F8
- ISO感度:ISO640
- 露出:+0.0
- シャッタースピード: 1/60秒
こちらはお昼に部屋の中で撮影した写真で、ちょっと写りが暗いです。
曇りの日の室内で暗かったのも1つの原因。
露出設定で明るさを1〜2段階ほど上げて撮影していれば、いい感じの明るさで写っていたと思います。
オートモードで撮っていると、露出設定が変えられないので後で説明する絞り優先モードを使いましょう。
ちょこちょことカメラの設定を気にして撮影すれば、室内でもそれなりにいい感じに撮ることはできます。
室内でもレンズフードをつけないと不要な光が入る
一眼レフのレンズには、レンズフードといってレンズのカバーのようなものがついていることはご存知かと思います。
パッと見がかっこいいからといってつけていた昔の僕のように、つけて撮影している人はいいですが、アレ実は室内でもつけた方がいいんです。
画面の端に変な光が入って写りが微妙になってしまったり、全体のバランスが悪くなってしまったりします。
屋外ではもちろんですが、室内撮影でもレンズフードはちゃんとつけて撮影するようにしましょう。
レンズを傷や汚れからも守ってくれますし、つけておいて損はありません。
簡単・きれいに撮るならスマホがベスト!
明るさや手ぶれのリスクが高い室内撮影は、実はスマホで撮るのが失敗しにくいです。
最近のスマホは、カメラの性能もコンデジ以上のものがほとんど。
ポスターサイズくらいまで引きのばさない限りは、一眼レフと大差ない写りをしてくれます。
僕もiPhoneを使い続けていますが、X以降からポートレートモードの性能に驚いています。
Androidの方なら、Xperiaのフォーカス位置調整やGalaxyも背景ぼかしモードが用意されています。
各キャリアのスマホをお持ちなら、店頭ではなくオンラインショップが便利です。
機種変の時の契約事務手数料が0円で済むんです!
待ち時間がないのもオンラインだけにしかない魅力ですね。
機種変更をお考えなら、一度見てみてください。
【シーン別】室内撮影で失敗しにくいおすすめレンズ
室内撮影できれいに撮れるレンズはたくさんありますが、次の2つの条件を満たすものを選ぶとより間違いありません。
- 明るいレンズ(F値が低いもの)
- 手ぶれ補正がついているレンズ
この条件を満たしていて、かつコスパもいいレンズを厳選してご紹介します。
人物中心で撮影するときのレンズ
子供など人物をメインで写したい場合は、単焦点レンズがおすすめです。
もちろんズームレンズでも問題ありませんが、いかんせんズームレンズで明るいものはお値段が張るのでコスパと画質両方をとるなら単焦点レンズが最強です。
シグマの30mmは値段も安いのに、画質がまぁスバラシイのです。
F1.4と抜群に明るいレンズで、室内や暗いところでも手ぶれしにくくかんたんにいい写真が撮れるところがおすすめ。
もうレンズの名前『ヤバイ』にしてもいいんじゃないかなって思うほど値段と画質のバランスが最強のレンズです。
キヤノンの単焦点レンズでコスパで選ぶならコレ。なんと2万円を切る値段で買えてしまいます。
F1.8で50mmで、APS-Cの一眼レフなら80mmと中望遠になるため、人物撮影にはもってこいのレンズです。
軽くてまず初めに買っておいて損はないレンズNo.1です。即決してもいい値段なところが魅力的。
体育館でスポーツ撮影中心になるときのレンズ
体育館で撮るときは、多少離れていてもシャッターチャンスを逃さず撮れるように高倍率ズームレンズを使うのがベストです。
体育館での撮影に向いているレンズの条件は、2つを基準に選べば間違いありません。
- 手ぶれ補正がついている
- 近くでも遠くでも撮れる
レンズは暗くても望遠レンズなら普通なので、それほど明るさは気にする必要はありません。
高倍率ズームレンズは、こちらの記事で選び方からおすすめレンズまで全てガッツリご紹介していますのでご覧になってみてください。
室内で人物を撮影するときの設定と注意点
この章では、室内で子供や人を撮影する時のおすすめ設定と注意点を解説します。
室内撮影では手ぶれと明るさが一番失敗のもとになるとお話しましたが、それをひっくるめた設定の目安はこちら。
- 撮影モード:絞り優先モード
- 絞り(F値):〜F5.6まで
- シャッタースピード:レンズの焦点距離以上
- 露出設定:できる限りプラス補正。明るければ適宜調整
- ISO感度:オートにしておくのがベター
絞り優先モードにしていると、絞りの数値をグリグリ変えたらそれにつられてシャッタースピードが変化します。
シャッタースピードが使っているレンズの焦点距離より大きい数字になるように調整してください。
手ぶれしにくいシャッタースピードの目安
手ぶれしてしまった時に何がダメだったのかがわかっていないと、また同じような写真を撮ってしまうことになりかねません。
一番わかりやすい目安として、シャッタースピードの目安を覚えておきましょう。
被写体が動いてしまう被写体ぶれもありますが、初心者のうちはカメラ自体の設定の問題の方が多いんです。
通常、手ぶれしないシャッタースピードは使用しているレンズの焦点距離と同じくらいの速さが必要。
ちょっと暗いところで撮ると、シャッタースピードは1/10秒とかかなり遅くなってしまうことがほとんどです。
焦点距離分のシャッタースピードにならない場合は、後で解説する絞りやISO感度の設定をいじってみると改善されることがあります。
撮影モードはオートではなく絞り優先モードを
はじめに室内での撮影には、オートモードは使わないようにしましょう。
オートモードは、カメラが周りの明るさを自動的に判断するため、自分が目で見ている明るさの通りに撮れなくなりやすいためです。
そのため、室内撮影ではなおさら暗くなってしまうんです。
室内撮影では、シャッタースピードを自動的に決めてくれる絞り優先モードがおすすめ。
CanonならAV、ソニーならAのモードにダイヤルを合わせておきましょう。
内蔵フラッシュは使わない
オートモードで撮影しているとよくなってしまうんですが、暗い室内でカメラに内蔵されたフラッシュをたいて撮影してしまうとイマイチな写りになってしまいます。
室内撮影時はカメラの内蔵フラッシュは切っておきましょう。
オートモードで撮影していると、カメラが自動的に暗さを感知してフラッシュをたいてしまうことがありますが、これはやめましょう。
フラッシュをたいてしまうと、一部分だけがスポット的に明るく写ってしまうのでおすすめはできません。
実際に内蔵フラッシュをONとOFFで写り方がどのくらい変わるかを試してみました。
※7月中旬の夕方18時45分頃に薄暗い自然光の中で撮影。
ちなみにこれはカメラ本体に内蔵されているフラッシュを使用しています。
被写体までの距離は約70センチほどです。
どうでしょう?フラッシュが届く範囲のみが明るく写って、周囲が暗いままになってしまっていることがわかりますよね。
暗さは露出の補正でまかなえるので問題ありませんが、フラッシュをたいてしまうと、被写体の周辺にしかフラッシュが届かず、不自然な写真となってしまいました。
外部ストロボと呼ばれる大きめのフラッシュを使う場合は、フラッシュが届く範囲も広いので問題はありません。
ただ、カメラ内蔵のフラッシュだとこのようにイマイチな写真になってしまいます。
ちなみに外部ストロボを使って、バウンス撮影(フラッシュの光を天井とか壁にはね返して撮る方法)した写真がこちら。
この写真、夜の18時半の薄暗い室内で撮影していますが、いい感じの明るさで写っていますよね。
外部ストロボは光の量が大きいので、露出設定の調整だけではできない明るさを足してくれるナイスなアイテムです。
さっきの写真を撮ったときに使ったストロボと同じ光量のおすすめ外部ストロボを紹介しておきます。
キヤノンならこちら。3万円以内で買えるコスパ重視の外部ストロボで、サイズもそんな大きくなく使い勝手もいい感じです。
さっきのバウンス撮影で使ったのがこのストロボです。
こちらも3万円以内で買えてサイズも小さいので、持ち運びもしやすくてはじめてストロボを買うならおすすめです。
このクラスの外部ストロボを使用して、フラッシュの光を天井や壁に向けて撮るバウンス撮影をすれば、部屋全体を明るく写すこともできます。
手ぶれしてしまう場合の対策
レンズを変えて撮影にのぞんだけど、それでも手ぶれしてしまうぞって方のためにカメラの設定を少し補足しておきます。
シャッタースピードが速くできない原因でよくあるのが、絞りとISO感度の2つ。
絞りとISO感度の設定値を変えてやることで、だいたいの場面で手ぶれは減らすことが可能です。
絞り(F値)を低くする
絞りを開いて開放よりの値に設定すると、シャッタースピードを上げることができるので、F値のダイヤルをグリグリまわしてみましょう。
F値を低くすればするほど、それに比例してシャッタースピードは速くなります。
絞りやF値については過去記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
撮影する場所が暗いとわずかしか変わらないかもしれませんが、写り方も少し明るくなりますよ。
外よりもちょっと暗い程度の明るさであれば、絞りの数値の設定を変えてあげるだけでも手ぶれしにくくなります。
ただ絞りを開きすぎると、ぼけ具合が大きくなってしまうのでバランスを見るようにしてください。
ISO感度を上げる
ISO感度を上げてカメラに光を与えてあげると、さらにシャッタースピードを早くすることができます。
絞りの設定を見直しても改善されない場合は、ISO感度の設定を変えましょう。
ISO感度については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、より詳しくISO感度の設定で写り方の違いを見てみたい方はご覧になってください。
ISO感度は上げれば上げるほどシャッタースピードも早くでき、手ぶれも防ぐことができますが上げすぎるとノイズやざらつきが出てしまうので注意が必要です。
夜の場合はもう少し上げないとキツいこともありますが、撮って拡大してみてざらつきが出ていなければ問題ありません。
室内や体育館でスポーツ撮影をするときの設定と注意点
次に体育館などでスポーツ撮影をするときの設定や注意点について解説します。
体育館は外よりも暗いので、普通にスナップ写真として子供を撮るときは人物撮影のときと同じやり方で撮影すれば大丈夫です。
ここでは、スポーツ撮影を中心により詳しく説明します。
体育館でのスポーツ撮影では、運動会同様にモデルとなる人物をどう写したいかで撮影モードを変えましょう。
- 手ぶれを減らして写しとめたいなら、絞り優先モード
- 動きのある写真を撮りたいなら、シャッター速度優先モード
『運動会での設定と撮り方』の記事で、実際に2つの撮影モードで撮り比べていますので詳しくはそちらをご覧になってみてください。
オートフォーカスはAIサーボ・AF-Cにする
体育館でのスポーツ撮影でも運動会同様に、オートフォーカスは動体追従してくれるAIサーボやコンティニュアスAFを使います。
- キヤノンならAIサーボ
- ソニーならAF-C
シングルAFにすると、動いている人物を撮るときにピントを瞬間で合わせるのが難しく失敗してしまう可能性が高いのでやめた方が無難です。
動体追従のピント合わせにしておくと、ピントを合わせたらそのまま動いていてもピントを合わせ続けてくれるので失敗も減らせます。
ピントを合わせながらここだというところで、シャッターを切ればオッケーです。
屋外との明るさの差に注意する
体育館の中は暗くても、外は晴れている場合もあります。
そんな場面で一番怖いのが、写っている子供のまわりはいい明るさなのに背景が真っ白になってしまうんですよね…。
俗に言う『白飛び』というやつです。
体育館ではないですが、撮る場所は暗いけど外が明るいこのような場面では背景が真っ白になりやすいです。
体育館も外が明るいとこのように白飛びしてしまう危険性があるので、注意が必要。
外が晴れて明るすぎる場合は、ズームしてアップで撮るようにすれば背景を入れずにすむので白飛びは問題なしです。
動きのある写真を撮りたい場合は、流し撮りにチャレンジ!
スポーツ撮影で被写体がピタッと止まって写っていたら、躍動感もなくてそのとき見た感動を伝えることはできません。
そんなときは、シャッタースピードをあえて遅めにして意図的にぶらして撮ることで動きのある写真が撮れます。
『流し撮り』という撮り方で、一部分だけにピントを合わせて他の部分をぶらして撮ります。
スポーツ撮影では流し撮りを使うことで、より動きのある写真を撮ることができます。
運動会の撮り方の記事で流し撮りのやり方も解説していますので、興味のある方はご覧になってください。
室内撮影の方法とテクニック【まとめ】
室内撮影は外で撮るよりは少し難易度は上がりますが、ちゃんと設定さえしてやればそんなに敷居の高いものではありません。
オートモードは室内撮影は強烈に相性が悪く、いい写真は撮れないので、もしあなたがオートモードで撮っているならこれを機にやめてみましょう。
撮影モードを変えるだけで、今まで撮れなかったような写真がたくさん撮れるようになります。