単焦点レンズは一眼レフを始めたばかりの人にとっては一番おすすめのレンズです。
値段も安くて、画質も一番いいのでほとんどの人が使っていると言っても過言ではありません。
僕が初めて買った交換レンズも単焦点レンズでした。
今でも一眼レフの交換レンズを最初に買った時の嬉しさを覚えています。
そこで、この記事では単焦点レンズの魅力と使い方、おすすめのレンズをまとめました。
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単焦点レンズとは?最初に知っておきたい特徴
ある程度一眼レフを使っている方なら、必ず聞いたことがある単焦点レンズ。
簡単に言えば、安くて高画質で撮れるレンズです。
レンズの構成が複雑にならないため、レンズ自体の値段は安くなり、ズームレンズと比べると画質も良くなっています。
焦点距離が固定される
単焦点レンズは、名前の通り焦点距離が1つしかありません。
つまり、ズームができないレンズということになります。
レンズの先を回してズームできないレンズのことで、ファインダーを覗いた時のそのままの写り方をします。
広角からマクロまで焦点距離ごとに単焦点レンズはたくさんあります。
あとでお話しますが、何をよく撮るかで選ぶと失敗しにくいです。
レンズが明るい
ほとんどの単焦点レンズは明るく、F2.8以下のものがほとんどです。
F値が低い=かんたんに背景ボケの写真が撮れるようになります。
レンズが明るいので、薄暗いところや手ぶれしやすい環境下に強くなります。
特に、まだ一眼レフの設定がよくわからない方には最強の味方です。
単焦点レンズが持つ4つの魅力
単焦点レンズの魅力はいろいろありますが、特にいいよと思ったことを4つだけ紹介します。
最初に言えることは、初めてレンズを買いたいという人にこそ単焦点レンズはおすすめです。
単焦点レンズは値段が安い
単焦点レンズは、ズームレンズのようにレンズの中の作りが複雑にならないため、コストを抑えることができます。
同じくらいのスペックのズームレンズと比べても、単焦点レンズは圧倒的に安いです。
それなりの画質の単焦点レンズでも、5万円くらいの予算があれば普通にびっくりするほどいい写真が撮れるようになります。
ズームレンズでF2.8通し(ズーム全域でF2.8で使える)のレンズを買おうと思うと、だいたい10万円近くの予算が必要。
しかし、単焦点レンズなら同スペックでも3万円以内で買えます。
お金をかけずにいい写真を撮れるようになるのは、単焦点レンズの強みですね。
単焦点レンズは高画質で撮れる
値段だけではなく、単焦点レンズは画質も良いところがおすすめポイントです。
ズームレンズになると、ズーム機構のせいでレンズ自体の光学性能を少し犠牲にすることがあります。
でも、単焦点レンズは構成がシンプルなので、そのぶん画質の良さはダントツ。
ズームレンズだと、開放では甘い描写になってしまうこともあります。
それが、単焦点レンズなら開放でもそれなりの画質で写せるところが魅力。
レンズの設計も関わってくるので、昔に作られたレンズよりは新しいレンズの方が画質も良くなっています。
単焦点レンズは軽くてコンパクト
単焦点レンズは基本軽くてコンパクトなものが多いです。
レンズ単体の重量を見ても、どれだけ高性能なものでも500gを切る軽量さ。
一眼レフはカメラだけでもそれなりの重量になりますよね。
そんな時も、単焦点レンズは持ち運びが楽なメリットがあります。
ボケやすいのが単焦点レンズ
一眼レフなら『背景をがっつりぼかした写真』が撮れますよね。
ただ、背景をぼかすのもキットレンズではなかなかきれいにぼけてくれません。
単焦点レンズはレンズが明るいので、簡単に背景をがっつりぼかせます。
iPhoneやAndroidのカメラは、年々性能が上がってきています。
参考までに、スマホと一眼レフの画質の差を撮り比べてみました。
ズームレンズと単焦点レンズの違いを比較
ズームレンズと単焦点レンズの違いも知っておきましょう。
まず、ズームレンズは範囲内の焦点距離ならズームすることができます。
簡単に単焦点とズームレンズの違いを比べてみました。
単焦点レンズ | ズームレンズ | |
値段 | 安い | 高い |
ボケ | ボケる | ボケにくい |
重さ | 軽い | 重い |
大きさ | 小さい | 大きい |
画質 | ◎ | △ |
利便性 | △ | ◎ |
僕が好きなソニーのSEL1635Zなら、焦点距離が 16mm〜35mmの範囲内でズームが可能です。
急に離れないといけなかったりする場合は、ズームレンズの方が重宝します。
旅行で荷物を減らしたい時などは、ズームレンズの方が便利ですね。
ズームレンズが全て画質がイマイチというわけでもありません。
F2.8通し(ズーム全域でF2.8)などのハイスペックなレンズは、ズームでも高画質で撮れます。
ただ、値段が高く、欲しいと思ってすぐ買える値段ではありません。
狭いところと広いところでどっちも撮りたいという場合は、ズームレンズの方がおすすめです。
単焦点レンズのおすすめ撮影シーン
単焦点レンズがズームレンズよりも活躍する撮影シーンを紹介します。
画質の良さとレンズの明るさをフルにいかすためには、ズームレンズでは限界があります。
普段使っているレンズを単焦点レンズに変えるだけで、写真がみちがえるようにうまく撮れるなんてこともあるんです。
背景をぼかした写真を撮る時に単焦点レンズ
まず一番に使える場面が、一眼レフらしい写真を撮りたいときです。
背景をがっつりぼかして撮影した写真ですね。
背景をぼかせば、生活感のある部屋を撮った写真でも雰囲気のある写真に変わるので、写真がうまくなったかなと錯覚してしまうこともありますね。
室内や暗いところでの撮影に単焦点レンズ
単焦点レンズはレンズが明るいことから、室内や暗いところでの撮影でも手ぶれを少なくいい写真が撮れます。
そんな時でも単焦点レンズなら、ISO感度をいじらなくてもシャッタースピードを上げることができます。
その恩恵として、手ぶれしにくく失敗写真を減らすことができるんです。
室内撮影については、『一眼レフで室内撮影する時の撮り方や設定|手ぶれを防ぐ秘訣』で解説していますので参考にしてください。
赤ちゃんや子供など人物撮影に強いのが単焦点レンズ
僕のように小さい子供がいる家庭では、特に単焦点レンズはおすすめです。
その理由は、赤ちゃんや小さい子供を撮る機会が多いからです。
赤ちゃんはふんわりした雰囲気で撮影するといい感じになります。
そんな時に役立つのが『ぼけ』です。
子供を撮るとき、手ぶれしてしまうことが多いですが、単焦点レンズならシャッタースピードを上げることができるので、手ぶれのリスクも減らせます。
我が家も小さい子供がいますが、彼らの写真を撮るときは単焦点レンズで撮ることが多いです。
風景など画質重視で撮りたい時にも単焦点レンズ
単焦点レンズが背景をぼかした写真しか撮れないということもありません。
風景写真のように背景をぼかさずに全体にピントが合った写真も撮れます。
風景のように全体にピントが合った写真を撮りたい場合は、24mm〜35mmくらいの単焦点レンズを使います。
28mmなど標準域の単焦点レンズで撮れば、とっさの集合写真でも対応可能。
一度で二度以上おいしいのが、単焦点レンズのいいところと言えますね。
単焦点の選び方・おすすめのレンズ
単焦点レンズと言っても、いろいろあります。
ここでは、単焦点レンズの選び方についてまとめました。
- 画角・焦点距離で選ぶ
- 値段・コスパで選ぶ
- レンズの明るさで選ぶ
ただ、レンズは買いだすとキリがないので、お金を節約したい人にはレンタルと言う選択肢もあります。
普通なら、期間が決まっているので高くて微妙ですが、最近新しいサービスが始まりました。
画像引用:カメラレント公式サイト
カメラレントは、月3500円〜の月額制でレンズが借り放題になる新しいレンタルサービス。
レンタル期間が決まっていないので、期限を気にすることなくゆっくり使えます。
すぐ欲しかったのですが、審査で時間がかかってしまったので先に会員登録と審査を済ませておきましょう。
ただ、1ヶ月間はレンタルした商品を変えられないため、じっくり使ってみたいもの選んでください。
もちろん、僕も秒速で登録して愛用中です。
よく撮る画角・焦点距離で選ぶ
普段あなたがよく撮るものを調べてみましょう。
自分がよく撮っている写真を見ていると、だいたいどのくらいの焦点距離が好みかがわかります。
キットレンズを使っているなら、自分がいつもどの焦点距離を使っているかを見てみてください。
カメラを構えてみて、自然とズームで使う焦点距離があればそれです。
よく使う焦点距離がわかれば、その焦点距離のレンズを調べます。
焦点距離の写り方の違いは、写真付きでこちらの記事にもまとめています。
値段・コスパ重視で選ぶ
レンズの値段を安く抑えたい場合は、パンケーキレンズが安くておすすめです。
サイズと金額、画質をいい感じでバランスをとっています。
値段・コストで選ぶおすすめ単焦点レンズ
画質よりも値段重視で選ぶなら、撒き餌レンズと呼ばれる単焦点レンズが安く買えます。
ただ、撒き餌レンズは50mmのものが多いので、APS-Cで使うと使い勝手は悪いです。。
開放F値・レンズの明るさで選ぶ
せっかくレンズを買うんだから、やっぱり明るいレンズがいい!
そう思う人も多いかと思います。
やはり、レンズが明るいとぼけやすく、使い勝手もいいので1本は持っておきたいところです。
レンズが明るいおすすめ単焦点レンズ
明るくて使い勝手のいいレンズでも、単焦点ならそんなに高くはありません。
Canonとソニーで僕がおすすめしたい単焦点レンズはこの2本です。
単焦点レンズの効果的な使い方
単焦点レンズの使い方は、大きく分けて2つあります。
その違いは、ぼかすか画質重視で撮るかです。
2パターンに分けて、使い方を解説していきます。
どちらの場合でも、絞り優先モードを使うと簡単に撮れるので、オートモードで撮っている人は変えてみてください。
背景をぼかしたい場合
画像引用:ソニー公式サイト
背景をぼかして撮りたい場合は、F値を小さくします。
絞り(F値)を小さくすればするほど、レンズに取り込む光が増えます。
背景をぼかした写真の撮り方や設定については、『一眼レフで背景をぼかした写真の撮り方』をご覧ください。
くっきりした写真を撮りたい場合
風景写真など背景をぼかさず写したい場合は、逆に絞って撮るようにします。
撮るものにもよりますが、目安としては下記のイメージです。
- 背景を少しぼかすならF5.6
- くっきりぼかしたいならF11
- シャッタースピードが稼げないならF8
シャッタースピードが遅くなる時は、手ぶれの危険もあります。
使っているレンズと同じくらいのシャッタースピードが確保できない時は、ISO感度を調節してみてください。
単焦点レンズでピントが甘い・合わない時の対処法
単焦点レンズがピントが合いにくいということはありません。
ピントが合わない時は、まず最短撮影距離が適正かどうかを確認してみてください。
レンズには、ピントが合う距離がそれぞれ決められています。
最短撮影距離は、そのレンズがピントの合う範囲を決めたものです。
この距離よりも近い場所で撮影しても、ピントは合いません。
被写体との距離が近すぎると、レンズによってはどう頑張ってもピントが合わないことがあります。
ピントが甘い・合わないと感じたら、まずは寄りすぎていないかを確認してみてください。
カメラや写真を好きになる第一歩が『単焦点レンズ』
単焦点レンズは、ズームができないからちょっとイマイチかなぁと思う人もいるかもしれません。
いちいち離れたり前に行ったりするのが大変だと思ってしまいますが、実はこの動きがカメラ上達の近道になります。
一眼レフがうまくなるために必要なのは、『構図』を考えることです。
被写体となるものをファインダー内のどこに配置して、まわりに何を一緒に写すか
これが一眼レフの面白さであり、醍醐味なんです。
でも、単焦点レンズは構図がイマイチと感じたら、もうちょっと下がったり前に行ったりしなければなりません。
つまり、自分が納得する位置にくるまでシャッターは押せないんです。
あれやこれやと構図決めで動くことで、焦点距離に対する理解も自然と深まります。
そうしているうちに、この時はこんな感じで撮れるという感覚が身につくもの。
ズームレンズしか撮れない時はズームレンズを使うという風に、使い分けも必要になってきます。
ズームレンズでないと撮れない場面
近づいて撮ることができない場合は、ズームレンズが必須です。
単焦点レンズでも焦点距離が長ければ、多少離れていても問題はありません。
ただ、下記のような場合だと単焦点レンズは不向きです。
- スポーツ撮影
- 発表会やイベント撮影
- 撮りたい被写体が決まってないとき
運動会などのイベントでは、基本的に撮りたい被写体が遠くなります。
風景も撮りたいし、テーブルフォトも撮りたいという時も使いにくいので、そういった時はズームレンズが便利です。
単焦点レンズの使い方と撮り方【まとめ】
単焦点レンズはキットレンズでは撮れなかった写真が簡単に撮れるようになります。
キットレンズだけだと、なかなか思うような写真が撮れないものです。
しかし、単焦点レンズ1本あれば、あなたの写真はがらっと変わるはずです。
値段も安く抑えられるので、ぜひ試してみてください。
少し前に買った一眼レフの通信講座がよかったので、体験レビューを書いてみました。