あなたは、パンフォーカスという言葉を聞いたことがありますか?
食べ物のパン?堅いものに焦点を当てる?私は最初の頃は正直こんなレベルでした。
私は一眼レフを始めるまで、そんな言葉聞いたこともありませんでしたが、ある程度一眼レフに馴染んでから、この言葉をよく聞くようになりました。
一眼レフに限っては、専門性が強く、カメラ用語1つとってみても、専門用語だらけです。聞くだけであーわからんーってなってしまって、そこで飽きてしまう人も中にはいると思います。
しかし、カメラ上達のために必ず知っておきたい用語はいくつかあります。
今回のパンフォーカスもぜひ知っておいてほしい用語の1つです。
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一眼レフ用語でよく聞くパンフォーカスとは?
まずはパンフォーカスの定義を調べてみました。
パンフォーカスあるいはディープフォーカスとは、写真または映画の撮影において、被写界深度を深くする事によって、近くのものから遠くのものまでピントが合っているように見せる方法、またはその方法により撮影された写真・映画のこと。 絞りを適切に絞ったうえで、焦点を無限遠よりも手前に調整することによって実現される。
引用元:Wikipedia
難しくいろいろと書かれていますが、要約するとこんな感じです。
ピントを全体に合わせて、近くのものから遠くのものまですべてにピントを合わせること
例で例えるなら、iPhoneなどのスマホでパシャリと撮った写真です。
スマホで撮った写真は、画面全体にピントが合っており、くっきりと写っていますよね。一眼レフであの感じに写すことを、パンフォーカスと呼びます。
試しに写真を見比べてみましょう。
まずは、背景をぼかした写真ですが、こちらはF値を低くしてあります。
F値を低くすることで、一部だけにピントが合っており、後ろの方はぼけています。
逆にパンフォーカスの設定で撮ると、イメージ的にこのように変わります。
全体的にピントが合って、カリッとした描写になっていますね。
このようなパンフォーカスで撮った写真を『解像感がある写真』と呼びます。
パンフォーカスがおすすめな利用シーンと設定
では、パンフォーカスは主にどんな時に使われるのでしょうか。
一般的によく使われる用途としては、下記のような条件の時がおすすめです。
- 風景写真
- 集合写真
- 証明写真
どれを取っても共通点は、『くっきり写したい』時です。
背景をぼかして撮りたい時は、パンフォーカスは真逆になるため、向いていません。
パンフォーカスで写すときのF値の設定目安
パンフォーカスで写す時のF値の目安を紹介しておきましょう。
※パンフォーカスで撮る時は、絞り優先モードにしておきましょう。
通常は、F8くらいからF16くらいまでの間で撮ると、パンフォーカスの効果が得られ、見た目も良い写真が撮れます。
レンズにもよりますが、ズームレンズで撮る場合は、必ず広角側の焦点距離で撮るようにしましょう。望遠側で撮ると、背景がぼけやすくなってしまうので、被写体から離れて広角側で撮るようにしましょう。
そうすることで、くっきりとしたパンフォーカスの写真が簡単に撮れます。
パンフォーカス撮影におすすめなレンズ
パンフォーカスで撮影したい時におすすめなレンズは、広角レンズです。
焦点距離は、28mmより広い(数値が小さい)ものを利用しましょう。APS-Cのカメラの場合は、18mmよりも広いものになります。
パンフォーカスは、広角レンズでないとできないというわけではなく、一眼レフの設定の問題だけなので、標準レンズであっても大丈夫です。
ただ、パンフォーカスの効果を得やすいのが広角レンズというだけです。
風景写真や集合写真などは広角レンズで撮る方が確実にいい写りになるので、広角レンズも1本は持っておいてもいいかと思います。
一眼レフのパンフォーカス使用時の注意点【まとめ】
最後にパンフォーカスで撮る時に気をつけておきたいポイントをまとめておきます。
まず1つ目に、絞りすぎ(F値を高くする)による回折(かいき)現象についてです。
回折現象とは、F値を絞りすぎると、ある値を境に徐々に解像感が失われてぼんやりした写りになってしまうというものです。
使用するレンズによっても、その発生状況は全く変わってくるので一概には言えませんが、F値を変えながら撮り比べることで、その違いがわかると思うので、一度時間がある時にやってみるのもいいかもしれません。
2つ目に、手ぶれが起こりやすくなります。
絞る(F値を上げる)ことによって、シャッタースピードが遅くなります。
シャッタースピードが遅くなると、少し薄暗いところになるとかなりの確率で手ぶれしやすくなります。画面上に手ぶれ注意のマークが出ていたら、ISO感度を上げるなどの対策をしてから撮影に臨むようにしましょう。