ソニーEマウントの単焦点レンズ群の中で忘れられがちなのが、SEL85F18。
85mmと聞くと、どうも扱いにくいというイメージを持たれている方がほとんどではないでしょうか?
人物などのポートレート写真はもちろんですが、いろんな用途に使える万能レンズです。
この記事では、カタログには書いていないEマウントの無印85mmのSEL85F18の詳細レビューをまとめました。
結論、安いわりにすごい性能なので買って損はないレンズです。
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Eマウントでは安い!SEL85F18のスペック
値段 | 6万前後 |
フルサイズ対応 | フルサイズ対応 |
発売日 | 2017年3月 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.8m |
開放F値 | F1.8 |
手ぶれ補正機構 | なし |
フィルター径 | 67mm |
レンズ構成 | 8群9枚 |
焦点距離 | 85mm |
フォーカス | AF/MF |
最大径×長さ | 78×82mm |
重量 | 371g |
SEL85F18はソニーEマウント用の中望遠の単焦点レンズですが、ツァイスでもGレンズでもなくごく普通の無印レンズです。
称号がつかないレンズを俗に無印レンズと呼びますが、このレンズは無印レンズながらなかなかの写りをしてくれます。
子供の写真は誰でもワンランク以上レベルの高い写真がかんたんに撮れるようになります。
開放F1.8で明るいから背景をぼかしやすい
6万円で買えるEマウントの単焦点では珍しく、開放F値はF1.8と明るいレンズです。
その明るさからボケを強くいかした写真はもちろん、ふんわり柔らかいボケの写真や室内や暗いところでの撮影も余裕でこなせます。
手ぶれ補正こそついていませんが、開放F1.8という明るさで手ぶれ補正がなくても問題はありません。
無印レンズなのに解像してくれる
無印レンズでありながらも驚くほど解像してくれて、描写力の非常に高いレンズです。
人物撮影をしていても、人の輪郭や髪の毛、服の色など細かなところに至るまでその描写力は圧巻です。
開放気味で撮れば、シャッタースピードが不足することもないので、解像力をフルにいかした写真を撮りやすいのも高評価ですね。
背景のぼけ感がいい感じ
SEL85F18は、上品なボケを出してくれる点も評価の高いポイントです。
背景をぼかした写真でも、ぼかした境界線とぼけていない箇所が自然に写せます。
ぼけぼけに写るのではなく、ほどよく滑らかな感じです。
ぼけすぎると肝心の被写体がぼやけてしまうこともありますが、SEL85F18なら、被写体を損なわないぼけ具合で主張しすぎないぼけ方をしてくれます。
SEL85F18のレンズ外観・装着写真
実機のレビューをレンズ単体とα7 Ⅱに装着した写真にわけて紹介します。
レンズ単体の写真
レンズ全体
レンズ側面
レンズ自体はそれほど大きいこともなく、重量も371gと軽いです。
α7 Ⅱにつけていてもレンズだけが主張するようなこともなく、バランスが取れています。
花やオブジェなど、止まっている被写体の場合、MFに切り替えるのがすぐできて便利です。
フォーカスホールドスイッチも、ピントを固定して構図を決めるときに重宝します。
意外にこのボタンがついていないレンズがないので、安い値段なのに親切な設計と言えますね。
レンズフードあり
ピントリング部
レンズ上面
レンズフードが大きめですが、つけてみるとミラーレスのαが一眼レフみたいになっていい感じ。
ピントリングはいい感じの硬さで軽すぎず緩すぎずで回しやすいです。
α7 Ⅱに装着した写真
側面写真①
側面写真②
α7 Ⅱにつけてみると、それほどレンズが主張するということもありません。
レンズの太さも程よい感じで握りやすく、がっしりしています。
α6000系でも望遠レンズほどサイズも大きくないので、扱いやすいサイズだと思います。
SEL85F18のぼけ具合をレビュー
ボケがいい感じと言っていたので、ボケ具合をF値を変えて、いろいろと撮影してみました。
開放のF1.8、F2.8、F5.6、F8、F13の4パターンで撮影してその写り方を比較しています。
それぞれ全体写真とピントが合っている部分の拡大写真をトリミングしてみましたので参考にしてください。
絞りF1.8で撮影
F1.8で撮影
ピント部拡大
F1.8だと背景はがっつりボケます。
ボケ方を見ると、被写体が浮かび上がるようにボケています。
ハットのリボン下あたりから自然な感じでボケているのがおわかりいただけるかと思います。
なだらかなボケ方がSEL85F18の特徴です。
絞りF2.8で撮影
F2.8で撮影
ピント部拡大
F2.8でもまだボケ具合は強く、パッと見はそれほど変わりありませんが、ハット全体の輪郭を見ると少し解像度が上がっていることがわかります。
絞りF5.6で撮影
F5.6で撮影
ピント部拡大
F5.6まで絞ると、ボケが少し少なくなって、さらにカリッとした描写になります。
被写体が浮き上がるように撮れるのもこのあたりの設定がドンピシャです。
個人的に一番好きなボケ具合です。
絞りF8で撮影
F8で撮影
ピント部拡大
パンフォーカスよりで撮影したいときは、F8まで絞るとさらにカリカリの描写に。
ワインレッドの色味1つとっても、細かい色味の違いが表現できています。
普通であれば、F8になると背景にもピントが合いますが、85mmという焦点距離の特性上、少し圧縮効果が入ります。
絞りF13で撮影
F13で撮影
ピント部拡大
F13まで絞ると、背景もくっきりとピントが合います。
子供2人以上で写真を撮りたいときは、これくらいまで絞ってあげるといい感じです。
SEL85F18の作例写真
実際にSEL85F18で撮影された写真をSNSから探してきました。
ポートレートメインの作例が多くありましたが、できるだけいろんな作例を集めました。
このレンズに変えるだけで、今までとは一味違った写真が撮れるようになります。
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値段の比較をするとき、楽天市場は意外に安い値段で売っているショップがあるのでチェックしておくのがおすすめです。
アマゾンに比べて、タイムセールやお得に変えるタイミングが多いので比較検討の際は見てみてください。
SEL85F18のレビュー【まとめ】
85mmというと、一般的に中望遠レンズになり、扱いにくい画角でなかなか初心者には手が出せないレンズというイメージです。
しかし、このレンズは違います。
むしろ、初心者にこそ試してほしいレンズと言いたいくらいです。
値段も6万円前後で買える抜群のコスパなので、ノリで買っても十分にもとがとれるレンズと言えるでしょう。
悪いところも言いたいですが、正直それほどのデメリットが見当たらないレンズです。