高倍率ズームレンズは画質が悪く、あまりいい写真が撮れるレンズではない。
それは間違いです。
高倍率ズームレンズでもちゃんと設定して撮れば、いい写真はたくさん撮れます。
ただ、高倍率ズームレンズと一言で言ってもいろいろあり、どれを選んだらいいのかわからないもの。
そこで、この記事では高倍率ズームの選び方やおすすめレンズをまとめました。
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高倍率ズームレンズの選び方
高倍率ズームレンズは、ほとんどのレンズが広い焦点距離をカバーしています。
そのため、レンズ1本だけでだいたいの撮影をこなすことができるレンズです。
広角側はそれほど気にしなくてもいいですが、望遠端の焦点距離を選ぶ基準の1つにしましょう。
どれくらいまでズームしたいかをはっきりと決めておくと、レンズ選びも楽になります。
28-300mm F3.5-6.3 Di VC PZDなら、広角28mmから望遠300mmまでなので、300mmで足りるかどうかをチェックします。
ただ、いい高倍率ズームはそれなりにいい値段がします。
レンズの出費を抑えたい方は、最近人気の月額制レンタルサービスが便利です。
画像引用:カメラレント公式サイト
カメラレントは、月3500円からの月額料金制でレンズがレンタル期間の制限なしで借りられるサービスです。
取り扱いのあるレンズは、メーカー問わず120種類以上。
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審査に少し時間がかかるため、先に会員登録を済ませておくとレンタルの発送がスムーズです。
最短1ヶ月のレンタル期間になるので、じっくり試してみたい商品を選びましょう。
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おすすめ高倍率ズームレンズのランキング
各メーカーでおすすめの高倍率ズームレンズをランキングにしました。
結論、タムロンの高倍率ズームレンズが一番コスパも良く、評判もいいので僕はタムロン推しです。
1位 タムロン 28-300mm F3.5-6.3 Di VC PZD
値段 | 5〜6万 |
フルサイズ対応 | ◯ |
発売日 | 2014年10月 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.49m |
F値 | F3.5-6.3 |
手ぶれ補正機構 | ◯ |
フィルター径 | 67mm |
レンズ構成 | 15群19枚 |
焦点距離 | 28mm〜300mm
ズーム倍率:10.7倍 |
フォーカス | AF/MF |
最大径×長さ | 74.4×m96mm |
重量 | 540g |
- 高倍率ズームでも画質はよい
- どの焦点域でも解像しており、色ノリもいい
- 子供とのお出かけなど荷物が多い時には便利
フルサイズにも対応する28mmから300mmまでの10倍ズーム対応の高倍率ズームレンズです。
円形絞りで屋外での撮影にも心強い簡易防滴構造を採用しています。
タムロンの強みである強力な手ぶれ補正VCの搭載で、望遠域での手ぶれの心配もなくオールマイティな高倍率ズームレンズです。
ニコン用はこちら。
2位 シグマ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM
値段 | 4〜5万 |
フルサイズ対応 | × |
発売日 | 2014年10月 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.39m |
F値 | F3.5-6.3 |
手ぶれ補正機構 | ◯ |
フィルター径 | 72mm |
レンズ構成 | 13群17枚 |
焦点距離 | 18mm〜300mm
ズーム倍率:16.6倍 |
フォーカス | AFのみ |
最大径×長さ | 79×101.5mm |
重量 | 585g |
- 超広角域までカバー
- キヤノン純正の18-200よりは表現力も良い
- レンズフードがついてくるのも◯
APS-C専用レンズですが、スーパーマルチレイヤーコートで逆光に強い16倍の高倍率ズームレンズ。
HSMで静音AF、手ぶれ補正もついて望遠域での手ぶれの心配もありません。
ニコン用はこちら。
3位 タムロン18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD (Model B028)
値段 | 6〜7万 |
フルサイズ対応 | × |
発売日 | 2017年7月 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.45m |
F値 | F3.5-6.3 |
手ぶれ補正機構 | ◯ |
フィルター径 | 72mm |
レンズ構成 | 11群16枚 |
焦点距離 | 18mm〜400mm
ズーム倍率:25倍 |
フォーカス | AF/MF |
最大径×長さ | 79×123.9mm |
重量 | 710g |
- 強烈な手ブレ補正機能VC搭載
- 400mmの望遠まで使える
- 最大撮影倍率が1:2.9でマクロ撮影も
- ズームロック採用
25倍ズームという驚異のズーム性能を持った世界初の高倍率ズームレンズがタムロンのB028。
広角側は18mmから、望遠端は400mmまでかなり広い焦点距離をカバーしてくれる高倍率ズームレンズはこれだけです。
このレンズ1本あればだいたいの撮影は事足りてしまいます。
APS-Cなら換算600mmとなり、超望遠レンズとしても代用可能。
とっさにレンズ交換ができない旅行や運動会などのシーンでは抜群のパフォーマンスを発揮してくれます。
4位 ソニー FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS SEL24240
値段 | 11〜12万 |
フルサイズ対応 | ◯ |
発売日 | 2015年3月 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.5m |
F値 | F3.5-6.3 |
手ぶれ補正機構 | ◯ |
フィルター径 | 72mm |
レンズ構成 | 12群17枚 |
焦点距離 | 24mm〜240mm
ズーム倍率:10倍 |
フォーカス | AF/MF |
最大径×長さ | 80.5×118.5mm |
重量 | 780g |
- 高倍率として考えると画質はいい
- 24mmスタートなので風景写真にも使える
- オートフォーカスが速い
ソニーEマウント用の純正高倍率ズームレンズがSEL24240。
純正ならではの質感、写りはもちろん、デザイン性や防塵防滴設計など値段が高い分、いい仕事をしてくれます。
もちろん、フルサイズにも対応しているので、ソニーのEマウントユーザーなら買って間違いない高倍率ズームです。
5位 ニコン AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
値段 | 7〜8万 |
フルサイズ対応 | × |
発売日 | 2014年4月 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.48m |
F値 | F3.5-6.3 |
手ぶれ補正機構 | ◯ |
フィルター径 | 67mm |
レンズ構成 | 12群16枚 |
焦点距離 | 18mm〜300mm
ズーム倍率:16.6倍 |
フォーカス | AF/MF |
最大径×長さ | 78.5×99mm |
重量 | 550g |
- 望遠端でも手ぶれ補正効果が高い
- レンズが軽い
- 三脚がなくてもぶれにくい
ニコンのAPS-C用なら、AF-S DX NIKKOR 18-300mm一択と言ってもいいレベルです。
ニコン純正ならではの高解像度と4段分の手ぶれ補正効果は、さすがと言うべき純正NIKKOR品質。
値段は高めですが長く使える銘板レンズと言えます。
高倍率ズームレンズの使い方
高倍率ズームレンズは、2本目以降のレンズに買うなら間違いなくおすすめできます。
1本目に買ってしまうとその1本で満足してしまうことがあるので、1本目で使う場合は本命レンズにしないようにしましょう。
高倍率ズームが必要な場面とおすすめの撮影シーンをいくつか紹介します。
全てに共通するのは、近くでも撮れて離れても撮れるということです。
旅行用のレンズ
旅行は撮りたいものがとにかくバラバラです。
また、観光名所や集合写真、街角のスナップなど引きと寄りの構図どちらも使うことが一番多い場面です。
じっくり構えていたりするとほっていかれたりすることもあります。
そんな時は、とっさにフレーミングできる高倍率ズームレンズが最適です。
ディズニーランドなどのテーマパーク用
ディズニーランドやUSJなど、テーマパークも同様に全体を写したい時と子供や被写体だけを切り取りたい時が出てきます。
アトラクション前で写真を撮る時は広角レンズが欲しいですし、子供が何かに乗っているときは望遠レンズが必要。
シャッターチャンスも一瞬しかないのでわざわざレンズを交換していたら、撮り逃してしまうことになりかねません。
運動会用のレンズ
運動会用のレンズと言うと、望遠レンズが鉄板のイメージですが、実は運動会にこそ高倍率ズームレンズって使いやすいんです。
子供が走っていたりするときは望遠で撮れますし、休憩中やご飯のときなどのスナップ写真は広角端でさっと撮ることができます。
せっかくなんで、いろんな姿を残してあげたいものです。
ビデオカメラでは残せない写真ならではの良さをアピールするためにも、いろんな撮影シーンに対応できる高倍率ズームレンズはおすすめです。
高倍率ズームレンズのデメリット・注意点
高倍率ズームレンズっていいところばかりなイメージを持ってしまいがちですが、実はデメリットもいくつかあります。
検討する時には、しっかりデメリットも理解してから買うようにしてくださいね。
解像度は低く画質は良くない
高倍率ズームレンズは、単焦点レンズや一般的なズームレンズと比べると解像度は低く、決して画質がいいとは言えません。
単焦点レンズと撮り比べてみると、さすがにその画質の差は歴然としてわかります。
ただ、普通のズームレンズと比べると正直素人目ではそんなに違いはわかりません。
スナップや本気で解像度の高い写真を狙って撮りたいというわけでないなら、解像度はそれほど気にしなくてもいいと僕は思っています。
意外と値段は高い
高倍率ズームレンズはメーカーによっても値段は変わってきますが、平均して5〜10万円くらいが相場です。
5万なら意外に安いかなって思いがちですが、5万円あれば単焦点レンズならヘタしたら2本は買えてしまうんですね。
画質を妥協して買うには少し高いなと感じることもあります。
10万円を超える高倍率ズームレンズは光学性能もそれなりにレベルが高く、画質もある程度期待できますが、それでも値段はやっぱり高いです。
ただ、その便利さをお金で買うなら、安い買い物と言えますね。
便利すぎて他のレンズが使えなくなる
初心者のうちに高倍率ズームレンズにどっぷりハマってしまう一番のデメリットがこれ。
便利すぎてこのレンズだけで満足してしまうことにあります。
最初に高倍率ズームレンズに慣れてしまうと、ある程度の画質とその便利さに満足してしまいがちです。
カメラの上達とか勉強欲がなくなってしまうことが一番よくないです。
いろんなレンズを使っていろんな写真を撮ったほうがさらに写真も好きになりますし、あくまでメインレンズではない使い方がおすすめです。
高倍率ズームレンズのメリット
高倍率ズームレンズも悪いところだけじゃありません。
うまく使えれば、値段以上の満足感を得られるのも高倍率レンズのいいところです。
広角から望遠まで幅広い焦点距離をカバー
ほとんどの高倍率ズームレンズは10〜15倍くらいのズーム倍率になっています。
広角レンズ、標準レンズ、中望遠レンズ、望遠レンズの4本を1つのレンズにまとめたようなイメージですね。
高倍率ズームレンズが1本あるだけで、近寄って撮ることも離れたところから撮ることもできます。
どこかへ写真を撮りに行こうと狙ってこのレンズとこのレンズと決めて撮りに行ける人は問題ありませんが、レンズ選びに迷う人は使いやすいレンズと言えます。
レンズ交換がいらない
当たり前ですが、高倍率ズームレンズ1本つけていれば、ほぼどんな場面でも対応できるのでレンズ交換する必要が無くなります。
特に屋外でレンズ交換をする時は、ゴミやほこりなどに気を遣いますよね。
屋外でレンズ交換するのは、リスクも多いです。
そんな時でも高倍率ズームレンズなら、レンズ1本でだいたいの撮影はまかなえるので安心です。
レンズ交換については、こちらの記事もどうぞ。
フルサイズ対応レンズが多い
キヤノンやソニー、ニコンなど純正レンズで高倍率ズームレンズはラインナップが少ないです。
しかし、タムロンやシグマなどサードパーティー製のレンズはたくさん出ています。
さらに、APS-Cだけでなくフルサイズにも対応したレンズが多いので、APS-Cユーザーも安心して長く使うことができます。
APS-Cユーザーであとあとフルサイズに乗り換えるかもしれないなら、持っていて損はありません。
また、フルサイズ対応でもそれほど値段が高くないのもいいところです。
普通のズームレンズと高倍率ズームレンズの比較
一般的なズームレンズと高倍率ズームレンズがどれくらい違うのかを一覧で比較してみました。
同じレベルの比較にはなりませんが、参考までに単焦点レンズの比較情報も書いています。
広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 | 単焦点 | |
画質 | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◎ |
F値 | 暗くてもOK | △ | × | × | ◎ |
重さ | ◯ | ◯ | × | △ | ◎ |
レンズの種類 | 少ない | 多い | 多い | 少ない | 多い |
値段 | △ | ◯ | △ | △ | 安い |
焦点距離の幅 | △ | △ | △ | ◎ | × |
高倍率ズームレンズの一番の強みは、レンズ1本でかなり広範囲の焦点距離をカバーできる点にあります。
ズームレンズは、広角・標準・望遠と1本のレンズだけではズーム域が狭いことが普通です。
レンズを選ぶときにある程度の焦点距離は考えておく必要があります。
自分の欲しい焦点距離が決まっている場合は問題ありませんが、よく使う焦点距離がはっきり決まっていない場合は高倍率ズームレンズは便利です。
高倍率ズームレンズのおすすめ【まとめ】
高倍率ズームレンズは便利ですが、自分の足で構図探しができなくなってしまうので慣れすぎは禁物です。
悪いというわけではありませんが、ある程度の性能なので慣れてしまうと高倍率だけでも十分じゃないかってなってしまうんですね。
高倍率ズームレンズは、その便利さ故に依存性が高くなりがちです。
一眼レフを勉強していても、高倍率ズームをすすめてくる人はいません。
あくまで補助的に使ってみてください。